オリンポス十二神の系譜

これを読めばオリンポス十二神は完璧! 

 


歴史において神々は多く存在する。

私が思うに、その中で最も知名度が高い神話、神々はオリンポス12神だ。

詳しいことは知らなくとも、その存在を知らない人はほとんどいないのではないだろうか。

オリンポス12神について最も有名な神は、ギリシャ神話の主神たる全知全能の存在であるゼウスだろう。

しかし、そんなゼウスでさえ、誰から産まれたかについて知っている人は多くないだろう。

今回はそんな、オリンポス12神の誕生を簡単に説明したいと思う。

 


まず、オリンポス12神を2グループに分けたいと思う。

グループ1 ゼウス ポセイドン ハデス ヘスティア デメテル ヘラ

グループ2 アテナ アポロン アルテミス ヘパイストス アレス ヘルメス デュオニュソス アフロディテ

少し話は逸れるが、ここで疑問を感じた人もいるのではないだろうか。

そう、14神いる。

このうちハデスは冥界の神として有名だ。彼は冥界の神であるが故にオリンポス十二神には含まれない事が殆どだ。

しかし、恐らく多くの人はこの14神の内のヘスティアを知らないだろう。

なので簡単にヘスティアの説明をしようと思う。

ヘスティアはクロノスのレアの夫婦の長女であり、炉の女神である。また、全ての孤児達の保護者であると言われる。

神話では、12神に入ることができず嘆いていた甥にあたるデュオニュソスを哀れんでその座を譲ったと言われている。

そのためオリンポス12神には、ヘスティアが入ることもあればデュオニュソスが入ることもある。

 

それはさておき、この2つのグループの違いは世代だ。

グループ1はオリンポスよりもさらに前に生まれし神々より産まれた神。

そしてグループ2はグループ1から産まれた神々だ。

そのグループのの神々の親は、時の神クロノスと大地の女神レアである。

彼ら、オリンポスの神々より前の世代の神々はティターン神族と呼ばれる。

何故ティターン神族からオリンポスの神々に世界を支配する神々が変化したのか。

それは伝説に由来する。

時の神クロノスは生まれた子供達(グループ1の神々)を次々と飲み込んでいった。

何故ならクロノスは自分の子供に殺されるという予言を受けていたからだ。

それを悲しんだ妻レアは末子であるゼウスを、産んだ時に隠した。

そして、産着に包んだ大石をゼウスと偽り、クロノスに食べさせた。

その後成長したゼウスは、思慮の女神メティスに作らせた嘔吐薬をクロノスに飲ませ、兄弟を吐き出させた。

そこからクロノスらティターン神族とゼウスらオリンポスの神々の戦いが始まった。

(しかし、ここでオリンポス側についたティターン神族もいるため、正確に言うとティターン神族とオリンポス神々の戦いと言うと語弊があるがここでは省略させていただく。)

そしてこの戦いにおいてゼウス側が勝利したことにより、世界を支配する神々はオリンポス12神となった。

 

次はグループ2の説明である。

まず、アテナはゼウスと思慮の女神メティスの子供であるとされている。

しかし、ゼウスもクロノスと同じく予言を受けており、その内容は、

「最初の配偶者である女神メティスとの間に生まれる子供は、最初に、母に似て智慧と勇気を持つ娘が生まれ、次には傲慢な息子が生まれるだろう。そしてゼウスの王権は再度、彼らによって簒奪されるだろう」

というものだった。

それ故にゼウスは身篭ったメティスを飲み込み、禍根を絶とうとした。

しかし、ゼウスの体内で胎児は成長し、そのためゼウスは激しい頭痛を感じるようになったため、自分の頭を斧で割らせた。

そこから出てきたのが、成人し、鎧を纏った女神アテナであった。

 

次はアポロンとアルテミスである。この二人は双子とされている。母親は女神レト。

母レトはゼウスからの愛を受けたが、それ故に出産に際してゼウスの妻ヘラからの妨害を受けた。

妨害から逃れるためヨーロッパ中を周り、唯一自分を受け入れてくれたデロス島で二人を出産した。

このヘラの妨害の理由は彼女はレトの子供がヘラのどの子供よりも偉大な神になるという運命を知っていたからである。

 

ヘパイストスはゼウスとヘラの第一子である。

それまでにゼウスがほかの女神たちとの間に立派な子供を作っていたことに焦っていたヘラが、正妻としての名誉を挽回すべく産んだ子供とされている。

また、彼は足が不自由である。

この理由としては様々な伝説がある。

生まれた時から足が悪かったとするものや、ゼウスとヘラの夫婦喧嘩においてヘラを庇ったことにより、ゼウスの怒りを買い、地上に投げ落とされ、この時に足を悪くしたという伝説もある。

 

アレスはゼウスとヘラの息子であり、戦いの神である。

しかし、オリンポス内では指導力を発揮できなかった。

そして、戦闘における残酷さや破壊的な面を表した神とされ信仰の対象にはあまりなれなかった。

むしろ忌み嫌われる存在であったと言っても過言ではない。

アレスが戦闘を好む神であったとされるのは元々蛮族の「トラキア」が信仰していた神であったからである。そのためほかの神々と比べ輝かしい逸話があまりない。

 

ヘルメスはゼウスと女神マイアの息子である。

ゼウスはオリンポスにおいて伝令を担う神を作るために、正妻のヘラに見つからず隠し通し、夜中にこっそりマイアの元へ向かい、嘘(正妻のヘラに隠す)と泥棒(こっそりマイアに会いにいく)の才能がヘルメスに宿ることを狙ったと言われている。

他にも旅人、商人の守護神であり、能弁、境界、体育技能、発明、策略、夢と眠りの神、死出の旅路の案内者と数多くの名を持っている。

 

デュオニュソスはゼウスとテーバイの王女セメレーの子供、つまり神と普通の人間のハーフである。

セメレーは本来の神としてのゼウスを見る事を望んだ。

しかし、普通の人間であるセメレーはゼウスの本来の姿である雷の光に耐えきれず燃えて死んでしまった。

その中でゼウスはセメレーの腹からデュオニュソスを取り出し自分の腿に入れて育てたという伝説が残っている。

 

最後にアフロディテ

古代ギリシャ時代の詩人ホメロスにおいてはゼウスと女神ディオネの娘であると言われている。

しかし、叙事詩人ヘシオドスの神統記では、時の神クロノスがその父親、空の神ウラノスを殺し、その遺体を海に投げ捨て、その時に発生した泡から産まれたとされる。

これはアフロディテという名に「泡から産まれた」という意味があるからとされる。

もしこの伝説を正しいとすればアフロディテは主神ゼウスよりも上の世代、ゼウスの父クロノスの妹と捉えることができる。

 


以上がオリンポス12神の誕生の物語です。あまり知られていない神々の誕生の経緯や出来事を知ってもらえれば幸いです。 

 

オリンポス十二神以前の神々については是非こちらをご覧下さい 

fuanbackari.hatenablog.com